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料金プランの構造を理解する
電子契約サービスの料金は、大きく分けて「月額固定費+送信料の従量課金」「送信料が発生しない完全定額」「ユーザー数に応じたライセンス課金」「個別見積」の四つの型に整理できます。同じ「月額11,000円」という数字を見ても、それが送信料込みの金額なのか、送信料が別途かかる基本料なのかによって、実際に支払う総額は大きく変わります。比較表を見るときは、月額料金の数字だけでなく、その料金に何が含まれているのかをあわせて確認することが欠かせません。
特に中小企業や個人事業主にとっては、月々の契約書の送信件数が読みにくい時期もあります。契約書の件数が季節や案件によって変動する場合は、月額固定費が低く送信料で調整できる従量課金型のほうが総額を抑えやすく、逆に毎月安定して多くの契約書を送信する場合は、送信料がかからない完全定額型のほうが有利になりやすい傾向があります。
無料プランと有料プランの境目
比較表の11社のうち、クラウドサイン・電子印鑑GMOサイン・freeeサイン・WAN-Sign・BtoBプラットフォーム契約書の5社は、公式サイト上で無料プランの存在と、月あたりの送信件数の上限を確認できました。無料プランの上限は月1件から10件程度とサービスによって幅がありますが、いずれも「本格的な運用」というよりは「操作感を試す」「ごく少数の契約書を送る」という用途を想定した範囲にとどまります。
マネーフォワード クラウド契約・Docusign eSignature・Shachihata Cloud・ContractS CLMのように、無料プランではなく無料トライアル(期間限定ですべて、あるいは主要な機能を試せる仕組み)を提供しているサービスもあります。トライアル終了後は有料プランへの移行が前提になるため、トライアル期間中にどこまで自社の運用を試せるかを確認しておくと、契約後のミスマッチを防ぎやすくなります。
送信料という電子契約特有のコスト
電子契約サービスに特有のコストが「送信料」です。契約書を1件送信するごとに100円から300円程度の料金が発生する設計のサービスが多く、月間の送信件数が多いほど送信料の総額が積み上がっていきます。送信料が本人確認の方式(当事者型か立会人型か)によって金額が変わるサービスもあり、電子印鑑GMOサインやWAN-Signのように、当事者型(あるいは実印版)のほうが立会人型(認印版)より高く設定されているケースが目立ちます。
一方で、マネーフォワード クラウド契約のように送信料・保管料をいずれも0円とし、月額料金だけで完結する設計のサービスもあります。送信件数が多い企業ほど、こうした完全定額型のサービスとの比較で総コストの差が大きくなりやすいため、年間の契約書件数を大まかに見積もったうえで比較することをおすすめします。
【比較表】料金体系の読み方
| サービス名 | 無料プラン・お試し | エントリープラン目安(月額) | 送信料の目安 | 料金体系の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| クラウドサイン | フリープラン(月2件・1ユーザーまで) | Light 月額11,000円(税込12,100円) | 220円/件(税込242円) | 月額固定+従量の送信料を併用 |
| 電子印鑑GMOサイン | お試しフリー(月5件・1ユーザーまで) | ライト 年間契約時8,800円/月(単月契約9,500円/月) | 立会人型100円・当事者型300円/件(税抜) | 文書の型(当事者型/立会人型)で送信料が変わる |
| freeeサイン | 無料プラン(月1通まで) | Starter 年払5,980円/月(月払7,180円)・月50通まで込み | プラン込みの通数を超えた分は100円/通(SMS認証100円・電子署名200円の追加料金あり) | プラン単位の月額制に一定通数を内包し、超過分を従量課金 |
| マネーフォワード クラウド契約 | 「無料で使ってみる」の案内あり(期間・条件は公式サイト参照) | 公式サイト参照(利用者数に応じた個別案内・初期費用は初月のみ) | 0円(送信・保管とも無料) | 送信料・保管料を気にしない完全定額志向 |
| Docusign eSignature | 公式サイト参照 | Standard 月額3,300円(税込)/ユーザー、年額39,600円 | 送信料なし(Standard・Business Proは1ユーザーあたり年間100通まで) | ユーザーライセンス制。個人向けPersonalプランは月額1,333円で月5通まで |
| Adobe Acrobat Sign | 公式サイト参照 | Acrobat Standardグループ版 月額2,200円(税込)/ライセンス〜 | 送信料なし(グループ版は「使用量の制限がない」と公式サイトに記載) | PDFツールAcrobatのグループプランに内包 |
| ジンジャーサイン | 1か月の無料トライアルあり | 公式サイト参照(「ご利用製品×ご利用人数」で月額300円〜と案内、個別見積) | 公式サイト参照 | 製品×利用人数による個別見積 |
| WAN-Sign | 基本プラン月額0円+無料枠(認印版月10件・実印版月3件) | 基本プラン 月額0円 | 認印版100円・実印版300円/件 | 月額固定費なしの従量制 |
| BtoBプラットフォーム契約書 | シルバープラン(電子保管月3件) | シルバー 月額10,000円 | 通常署名100円・長期署名200円/件(ゴールドは月100通無料) | シルバー・ゴールドともユーザー数無制限(ゴールドは月額30,000円) |
| Shachihata Cloud | 15日間の無料トライアル | 電子印鑑セット 月額540円/人(税込594円)〜 | 公式サイト参照 | 1人あたりの月額課金が中心 |
| ContractS CLM | トライアル段階あり | 個別見積(初期費用+月額基本料金+オプション) | 公式サイト参照 | 契約書管理(CLM)全体を含む料金設計 |
2026年9月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。
自社のコストを試算する考え方
比較表をもとに自社のコストを試算する際は、次の手順が参考になります。まず、直近半年から1年程度の契約書の件数を振り返り、月あたりの平均送信件数を把握します。次に、比較表の「エントリープラン目安」と「送信料の目安」を使い、月額固定費に送信件数分の送信料を加えた金額を、候補となる複数のサービスで計算します。最後に、送信料が0円のサービスについては、月額固定費だけで完結するかどうかを確認します。
ここで算出できるのはあくまで概算です。実際の料金は利用人数や契約するプランのグレード、キャンペーンの有無などによって変動するため、候補を2〜3社に絞り込んだ段階で、各社の公式サイトから正式な見積もりを取得することをおすすめします。
よくある質問
結局、月額固定型と従量課金型のどちらが安くなりますか。
月間の契約書送信件数によって変わるため一概には言えません。送信件数が少ない場合は送信料のみがかかる従量課金型、送信件数が多く安定している場合は送信料がかからない完全定額型のほうが有利になりやすい傾向がありますが、実際の金額は試算の手順を参考に自社の件数で計算してみることをおすすめします。契約書を電子データとして保存する際の税務上の取り扱いは、国税庁の電子帳簿保存法関係の公式ページで確認できます。
「公式サイト参照」と書かれている項目はなぜ数字がないのですか。
本サイトが2026年9月時点で各社公式サイトを直接確認した範囲で、具体的な金額やルールを確認できなかった項目については、推測で数字を書かず「公式サイト参照」としています。個別見積制のサービスや、公式サイト上で価格が非公開のサービスについては、直接問い合わせることで詳細な金額を確認できます。
無料プランのまま契約書の本運用をしてもよいですか。
無料プランは月あたりの送信件数が数件程度に限られていることが多く、契約書のやり取りが少ない個人事業主であれば運用できる場合もありますが、送信件数が増える見込みがあるなら早めに有料プランへの移行を検討したほうが、後からの切り替えコストを抑えられます。
電子契約の費用は収入印紙代と比べて本当に安くなりますか。
紙の契約書に貼付する収入印紙は契約金額に応じて数百円から数万円になることがあり、契約書の件数が多い企業ほど印紙税の負担も大きくなります。電子契約は前述のとおり課税文書の作成にあたらないと整理されているため、送信料を差し引いても印紙税分のコストが下がるケースは多いとされていますが、実際の損得は契約金額や件数によって変わるため、自社の過去の印紙税支出と電子契約の送信料を並べて試算してみることをおすすめします。
まとめ:次に読むページ
電子契約サービスの料金体系は、月額固定費・送信料・ライセンス課金・個別見積という異なる設計が混在しており、単純な月額料金の比較だけでは総コストを見誤りやすい分野です。自社の契約書件数を軸に、比較表を使って複数のサービスで概算を出してみることが、遠回りをしない比較の方法です。
料金体系を確認したら、次は導入手順で実際にどのように社内規程を整え、取引先の合意を得ていくかを確認してください。電子帳簿保存法との関係で保管コストが気になる方は電子帳簿保存法との関係もあわせてご覧ください。
